2023/08/24
むし歯や歯周病などで歯を失ってしまった場合、従来は入れ歯かブリッジを利用するしか方法がありませんでしたが、近年は骨にボルトを埋め込んで人工歯を取り付けるインプラントが普及したおかげで、入れ歯やブリッジよりも自然に近い状態で噛むことができるようになりました。便利な一方でインプラントには健康保険が適用されないので歯根一本あたり30万円かそれ以上の施術費用がかかり、数本入れるだけで治療費は軽く百万円を越えてしまいます。高額なインプラント治療ですが、埋め込む場所を上手に組合せることで費用を抑えることができます。例えば、複数の歯が連続で失われてしまった場合、失われた歯と同じ本数の人工歯根を埋め込むのではなく、数本分おきに埋め込んで間をブリッジにすることができますし、自分の歯が全く無い総入れ歯の状態であれば4本~6本だけ埋め込んで、14本分の歯を全部ブリッジで固定するall-on-4(オールオンフォー)という方法があり、この場合は上部の人工歯の本数は14本でも歯根が4本とか6本で、施術費用は埋め込んだ人工歯根と上部の歯の分だけで済むので、一本一本の歯全てに人工歯根を埋め込むのに比べると数百万も節約することができます。
インプラント費用を抑えるさらに別の方法があります。健康保険が適用されなくても医療費が年間10万円を超えたら控除の対象になるので、年末調整か確定申告の際に一年間に医療機関に支払った分の領収証を提出すれば所得税や住民税が安くなる場合があります。医療費控除はインプラントに限らずその年に支払った医療費が対象です。歯科やその他の診療科目で医療機関に受診した分についても同時に申告することができるので、例えば眼科で眼鏡やコンタクトレンズの処方箋を作ってもらったり、インフルエンザの予防接種を受けた費用などもまとめて申告して税金を安く抑えることで、実質的に医療費を節約することができます。