2023/08/24
歯科は医療の中でも重要な役割を担う存在であることは事実です。虫歯はただ痛みがあるだけというように考えている人もいますが実際には放置していると神経が侵されて死ぬほどの病であり、それを治療できないというような状況が先進国にあってはなりません。ですがそうした必要性があると言っても、日本国内に置いて歯科という診療科目は供給過多にあることも確かでしょう。事実として現代の日本では歯科がコンビニよりも多くなっていると指摘されており、そこで働く医師の収入減や相次ぐ廃業が問題となっています。
そもそもどうして歯科という病院だけがここまで増えたのかというと、原因としてはさまざまなことが挙げられます。ですが重要な要素となるのは1960年代から1980年代にかけて行われた歯学部の新設・増設です。もちろんこの頃は虫歯治療の重要性が認知され始めた時代でもありましたし、歯学部が少なかったこともあって医師の供給不足がありました。ですからこのこと自体は決して悪いことではないのですが、この新設・増設によって増えた定員が、現代においても減ること無く維持されているというのが大きな問題です。
供給過剰とされるほど歯科医師が増えているのですから、本来は定員を削減するなどして供給を少なくしなくてはなりません。ですが大学にとって学部の定員を減らすということは入学金や学費などの収入が減るということですから利益確保のために定員減の要請には応じられないとしてきましたから、結局医師が増えすぎてしまったわけです。現在においてもこうした問題は指摘されていますが、その改善は今一つされていません。今後の対応によって状況が改善できる可能性は高いですが、少なくとも今後しばらくはこうした状況が続くでしょう。