2023/08/24
要介護認定を受けている高齢者はこの10年間で2倍以上に増えています。要介護高齢者の中には、歯に関して問題があるにもかかわらず歯の治療を受けていない人がかなり見受けられます。高齢者は虫歯の治療を放置しがちで、放置することにより咀嚼機能の低下や口腔内の不衛生を招きます。食べることは生きる楽しみや健康状態に直結するためにとても大切なことです。
また人と会話をしたり、笑顔で笑うことは生活の質を上げるためには欠かせない事柄です。そのために入れ歯や義歯の修理や手入れなどの口腔ケアが必要です。厚生労働省の調査によると、このような要介護高齢者の74%は歯科治療が必要なのにもかかわらず、実際に治療を受けたのは27%というデータがあります。口腔ケアを怠ると肺炎の発症率が高くなるという報告もされています。
介護施設においては訪問歯科診療は増えている傾向がありますが、在宅介護老人への訪問歯科は減少傾向にあります。在宅への訪問治療の良いところは、足や体の不自由な方々がわざわざ医院に出向く必要がない、ということです。診療内容も医院に行くのとまったくそん色なく治療がうけられるというメリットがあります。診療報酬改定により、在宅歯科医療の診療報酬の見直しがおこなわれ、厚生労働省の大きな柱として在宅医療の推進があげられました。
診療報酬の算定が高く評価されることになったので、今後は多くの医院で訪問歯科を行うことが予想されます。